- この人なら、きっと良い関係を築いてくれるだろう
面接でそう感じたはずなのに、いざ入社してみると、周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、早期離職につながってしまった…。
そんな経験はありませんか?
現代のビジネス環境では、個人のスキルだけでなく、周囲との「関係構築力」が、チームや組織全体のパフォーマンスを大きく左右します。
特に、30代~40代の管理職の皆さんにとって、部下、上司、同僚との良好な関係を築ける人材を採用することは、組織の成長に不可欠です。
しかし、限られた面接時間の中で、求職者の「関係構築力」を見抜くのは、容易ではありません。
そこで、この記事では求職者のタイプ別に、関係構築力を測るための具体的な質問集と、その質問の意図、回答から読み解くべきポイントを詳しく解説します。
さらに、質問だけでは不十分な場合に、関係構築力を見抜くための+αのテクニックや、採用後のフォローアップについてもご紹介します。
この記事を読めばあなたは、面接で求職者の「関係構築力」を的確に見抜き、自信を持って採用の意思決定ができるでしょう。
そして、良好な人間関係を築ける人材を採用することで、組織全体のパフォーマンス向上、ひいては企業の成長に貢献できるはずです。
さあ一緒に、あなたの会社に最適な人材を見つけるための、面接の旅に出かけましょう!
インデックス
1. なぜ今、「関係構築力」が重要視されるのか?
「関係構築力」…なんだか抽象的で、わかりにくい言葉かもしれません。
しかし、現代のビジネス環境において、この「関係構築力」は、これまで以上に重要視されています。
その理由は、主に3つあります。
1. 職場環境の変化:
かつての「指示待ち」型の働き方から、チームで協力し、自律的に動く働き方へとシフトしています。
リモートワークの普及により、直接顔を合わせないコミュニケーションも増えました。
このような環境下では、お互いの状況を理解し、円滑にコミュニケーションを取る能力、つまり「関係構築力」が不可欠です。
2. 関係構築力が低い人材を採用するリスク:
関係構築力が低い人材は、周囲との連携がうまくいかず、孤立しがちです。
その結果、
- 早期離職:
職場に馴染めず、早期に退職してしまう。 - パフォーマンス低下:
チーム全体の士気を下げ、生産性を低下させる。 - トラブル発生:
コミュニケーション不足による誤解や対立が、トラブルに発展する。
といったリスクが高まります。
特に、管理職の立場にある皆さんは、これらのリスクを痛感しているのではないでしょうか。
3. 関係構築力が高い人材がもたらすメリット:
逆に、関係構築力が高い人材は、
- 生産性向上:
チームワークを発揮し、高いパフォーマンスを生み出す。 - 組織活性化:
周囲を巻き込み、組織全体の士気を高める。 - 問題解決能力:
困難な状況でも、周囲と協力して解決策を見出す。
といったメリットをもたらします。
これらのメリットは、企業にとって、競争優位性を確立するための重要な要素となります。
例えばあるIT企業では、新卒採用の選考基準に「関係構築力」を最重要項目として加えました。
その結果、新入社員の定着率が大幅に向上し、チーム全体の生産性も20%アップしたそうです。
これは、関係構築力が企業の業績に直結する、重要なスキルであることを示しています。
もはや、「仕事さえできれば良い」という時代ではありません。
「誰とでも、良好な関係を築ける」人材こそが、これからの時代に求められるのです。
2. 面接で「関係構築力」を見抜くことの難しさ
「関係構築力」の重要性は理解できたけれど、面接で見抜くのは難しそう…そう思われるかもしれません。
確かに、その通りです。
なぜなら、求職者は面接で「良い印象を与えたい」と、自分を良く見せようとするからです。
1. 求職者の自己PRと本音のギャップ:
多くの求職者は、
- コミュニケーション能力に自信があります
- チームワークを大切にしています
といった自己PRをします。
しかし、それが必ずしも本音とは限りません。
過去の経験を誇張したり、自分に都合の良いエピソードだけを話したりするケースも少なくありません。
2. 従来の面接質問の限界:
従来の面接では、「これまでの経験」「スキル」「志望動機」などを中心に質問することが一般的でした。
しかし、これらの質問だけでは、求職者の「関係構築力」を測ることはできません。
例えば、「リーダーシップを発揮した経験」を尋ねても、それが「独りよがりなリーダーシップ」だったのか、「周囲を巻き込むリーダーシップ」だったのかは、詳しく聞かなければわかりません。
3. 短時間で本質を見抜くことの重要性:
面接時間は限られています。
その短い時間の中で、求職者の表面的な言葉だけでなく、本質を見抜く必要があります。
そのためには、従来の質問に加えて、「関係構築力」に特化した質問や、回答の深掘り、そして、面接官の観察眼が不可欠となります。
例えば、ある企業の人事担当者は、面接で「最近、イラっとしたことは何ですか?その時、どう対応しましたか?」という質問を必ずするそうです。
この質問の意図は、感情のコントロール能力と、対人関係における問題解決能力を見極めることです。
このように、質問の意図を明確にし、回答から求職者の本質を見抜くことが、採用の成功につながります。
次章では、いよいよ、求職者のタイプ別に、「関係構築力」を測るための具体的な質問集をご紹介します。
3. 【タイプ別】関係構築力を測る質問集:あなたの会社に必要な人材は?
ここでは、求職者のタイプ別に、関係構築力を測るための具体的な質問集をご紹介します。
あなたの会社が求める人材像に合わせて、質問を使い分けてください。
3-1. 部下との関係構築を重視する場合
部下との関係構築は、チームのパフォーマンスを最大化するために不可欠です。
以下の質問を通して、リーダーシップ、コミュニケーション能力、育成能力を見極めましょう。
リーダーシップに関する質問
質問例1:
これまでの部下育成で、最も苦労した経験と、そこから得た学びは?
- 意図:
部下の成長を真剣に考え、試行錯誤できる人物かを見極める。 - 読み解くポイント:
具体的なエピソード、苦労した点、そこから得た学びを明確に語れるか。 - 具体例:
- 新人のAさんは、指示されたことしかできず、自主性に欠けていました。
そこで、私はAさんと毎日15分間の面談時間を設け、Aさんの目標設定と、達成に向けた具体的な行動計画を一緒に考えました。
その結果、Aさんは徐々に自主性を持つようになり、半年後にはチームの主力メンバーへと成長しました。- → 具体的な行動と、その結果が明確であり、部下の成長を支援する姿勢が見られる。
- 新人のAさんは、指示されたことしかできず、自主性に欠けていました。
質問例2:
年上の部下、年下の部下、それぞれとの接し方で工夫していることは?
- 意図:
年齢や経験に関わらず、相手に合わせたコミュニケーションができるかを見極める。 - 読み解くポイント:
年齢差を意識した具体的な対応策を語れるか。 - 具体例:
- 年上の部下に対しては敬意を払い、経験を尊重する姿勢を大切にしています。
年下の部下に対しては、一方的に指示するのではなく、一緒に考え、成長を促すように心がけています。- → 年齢に応じた対応の違いを理解し、適切なコミュニケーションを取ろうとする姿勢が見られる。
- 年上の部下に対しては敬意を払い、経験を尊重する姿勢を大切にしています。
質問例3:
チームの目標達成のために、部下のモチベーションをどのように高めますか?
- 意図:
目標達成に向けた、具体的な働きかけができるかを見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な施策や、過去の成功体験を語れるか。 - 具体例:
- 目標の明確化と共有:
まず、チーム全体の目標と、各メンバーの役割を明確にし、全員で共有します。
目標達成の意義や、達成によって得られるメリットを具体的に伝えることで、モチベーションを高めます。 - 個別の目標設定:
各メンバーと個別に面談し、それぞれの能力やキャリアプランに合わせた目標を設定します。
目標は、少し頑張れば達成できるレベルに設定し、達成感を味わえるように工夫します。 - 進捗状況の確認とサポート:
定期的に進捗状況を確認し、課題があれば一緒に解決策を考えます。
困っているメンバーがいれば、積極的に声をかけ、サポートします。 - 成功の祝福と称賛:
目標を達成したメンバーや、チームに貢献したメンバーは、積極的に称賛します。
小さな成功でも、必ず言葉で伝え、感謝の気持ちを表現します。 - 過去の成功体験:
以前、売上目標が未達でチームの雰囲気が悪くなっていた時、一人ひとりと話をし、それぞれの強みを活かせる役割分担に見直しました。
また、毎朝のミーティングで成功事例を共有し、お互いを励まし合う雰囲気を作りました。
その結果、チームの士気が高まり、最終的には目標を達成することができました。
- 目標の明確化と共有:
質問例4:
成果が出ない部下に対して、どのように指導・育成しますか?
- 意図:
困難な状況でも、部下を見捨てずに、根気強く向き合えるかを見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な指導方法、改善策、過去の経験を語れるか。 - 具体例:
- 原因の特定:
まずは、成果が出ない原因を特定します。
能力不足なのか、モチベーションの問題なのか、それとも他に原因があるのか、じっくりと話を聞き、状況を把握します。 - 具体的な目標設定:
原因に応じて、具体的な改善目標を設定します。
目標は、達成可能なレベルに設定し、ステップ・バイ・ステップで成長を促します。 - マンツーマン指導:
必要であれば、マンツーマンで指導を行います。
業務の進め方、スキルアップの方法など、具体的なアドバイスを行います。 - 定期的なフィードバック:
定期的に面談を行い、進捗状況を確認し、フィードバックを行います。
良い点は褒め、改善点は具体的に指摘し、改善を促します。 - サポート体制の構築:
必要であれば、他のメンバーに協力を依頼し、チーム全体でサポートする体制を構築します。 - 過去の経験:
以前、営業成績が伸び悩んでいた部下に対して、私は同行営業を行い、具体的な営業トークや顧客対応の仕方を指導しました。
また、ロールプレイングを繰り返し行い、自信をつけさせました。
その結果、その部下は徐々に成果を上げられるようになり、最終的にはトップセールスの一員へと成長しました。
- 原因の特定:
- これらの具体例は、あくまで一例です。
面接では、求職者の回答内容を深く掘り下げ、具体的な行動や考え方、そして、そこから得られた学びや教訓を引き出すことが重要です。
コミュニケーションに関する質問
質問例1:
部下から相談を受けたとき、どのように対応しますか?
- 意図:
傾聴力、共感力、問題解決能力を見極める。 - 読み解くポイント:
話を最後まで聞き、共感的な態度を示し、解決策を一緒に考えようとする姿勢があるか。 - 具体例:
- 傾聴:
まずは、部下の話を遮らずに最後まで聞きます。
話しをしている間は、相槌を打ち、共感的な態度を示すように心がけます。」 - 状況把握:
話を聞きながら、何に困っているのか、何が問題なのかを把握します。
必要であれば、質問をして、より詳しく状況を聞き出します。 - 共感:
部下の気持ちに寄り添い、『それは大変だったね』『つらい気持ち、よくわかるよ』など、共感の言葉を伝えます。 - 解決策の提案:
部下の状況や希望に合わせて、いくつかの解決策を提案します。
一緒に考え、最適な解決策を見つけられるようにサポートします。 - フォローアップ:
相談を受けた後も、定期的に声をかけ、状況を確認します。
必要であれば、追加のサポートを行います。
- 傾聴:
- 良い例のポイント:
具体的な行動(傾聴、状況把握、共感、解決策提案、フォロー)が示されており、部下の立場に立った対応ができることがわかる。
質問例2:
部下に対して、どのようにフィードバックを行いますか?
- 意図:
相手の成長を促す、効果的なフィードバックができるかを見極める。 - 読み解くポイント:
具体的なフィードバック方法(頻度、タイミング、伝え方)を語れるか。 - 具体例:
- 頻度とタイミング:
定期的な面談の場だけでなく、日々の業務の中でも、良い点や改善点があれば、その都度、具体的にフィードバックするようにしています。
特に、良い行動は、すぐその場で伝えるように心がけています。」 - 伝え方:
まずは、良かった点を具体的に伝え、その後で、改善点を指摘します。
改善点については、頭ごなしに否定するのではなく、『〇〇すれば、もっと良くなるよ』というように、前向きな表現で伝えるようにしています。 - 具体性:
抽象的な表現ではなく、『〇〇のプレゼン資料は、データが豊富で説得力があった』『〇〇の対応は、お客様に喜ばれた』というように、具体的な行動を挙げてフィードバックします。 - 相手の意見を聞く:
一方的に伝えるだけでなく、フィードバックに対する部下の意見や感想も聞くようにしています。
双方向のコミュニケーションを心がけています。
- 頻度とタイミング:
- 良い例のポイント:
フィードバックの頻度、タイミング、伝え方、具体性、双方向性など、効果的なフィードバックを行うための要素が網羅されている。
質問例3:
部下とのコミュニケーションで、最も気をつけていることは何ですか?
- 意図:
コミュニケーションに対する意識の高さ、具体的な工夫を見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な注意点、過去の経験から得た学びを語れるか。 - 具体例:
- 相手の立場に立つ:
常に、相手の立場に立って考えるように心がけています。
年齢、経験、性格など、人によって受け取り方は異なるため、相手に合わせたコミュニケーションを意識しています。 - 言葉遣い:
丁寧な言葉遣いを心がけ、威圧的な態度や否定的な言葉は使わないようにしています。
特に、年上の部下に対しては、敬意を払い、言葉遣いには細心の注意を払っています。 - 非言語コミュニケーション:
言葉だけでなく、表情や声のトーン、身振り手振りなど、非言語コミュニケーションにも気を配っています。
笑顔で、相手の目を見て話すように心がけています。 - 過去の経験からの学び:
以前、言葉足らずで部下に誤解を与えてしまったことがありました。
それ以来、伝えるべきことは明確に、具体的に伝えるように心がけています。
また、伝えっぱなしにするのではなく、相手が理解しているかを確認するようにしています。
- 相手の立場に立つ:
- 良い例のポイント:
コミュニケーションにおける多角的な注意点(相手の立場、言葉遣い、非言語、過去の経験)が挙げられており、高いコミュニケーション意識を持っていることがわかる。
これらの具体例は、あくまで一例です。
面接では、求職者の回答内容を深く掘り下げ、より具体的な行動や考え方、そして、そこから得られた学びや教訓を引き出すことが重要です。
育成に関する質問
質問例1:
部下の成長を促すために、どのような機会を提供しますか?
- 意図:
部下の成長を支援する具体的な方法を持っているかを見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な機会(研修、OJT、プロジェクトへのアサインなど)を提示できるか。 - 具体例:
- OJT:
経験豊富な先輩社員を指導担当者として配置し、実務を通して、仕事の進め方やスキルを OJT(On the Job Training)」指導します。
マンツーマンでの指導に加え、チーム全体でのフォローアップも行います。」 - 研修:
社内研修だけでなく、外部の研修やセミナーにも積極的に参加させます。
専門知識やスキルを習得する機会を提供し、自己成長を促します。 - プロジェクトへのアサイン:
新しいプロジェクトや、難易度の高いプロジェクトに、積極的にアサインします。
責任ある仕事を任せることで、成長の機会を提供します。 - 目標設定とフィードバック:
定期的な面談を通して、個人の能力やキャリアプランに合わせた目標を設定します。
目標達成に向けた具体的な行動計画を一緒に考え、進捗状況を確認しながら、適切なフィードバックを行います。 - 自己啓発の支援:
書籍購入費の補助や、資格取得支援制度など、自己啓発を支援する制度を設けています。
主体的な学びを促し、成長意欲を高めます。
- OJT:
- 良い例のポイント:
OJT、研修、プロジェクトアサイン、目標設定、自己啓発支援など、多角的な育成機会を提供しており、部下の成長を真剣に考えていることがわかる。
質問例2:
部下のキャリアプランについて、どのように考えていますか?
- 意図:
部下の将来を見据え、長期的な視点で育成を考えているか。 - 読み解くポイント:
部下のキャリア形成を支援する具体的な考えや計画を語れるか。 - 具体例:
- 定期的なキャリア面談:
年に1回以上、キャリアに関する面談を実施します。
現在の仕事に対する満足度、将来の目標、キャリアパスについて、じっくりと話し合います。 - キャリアパスの明確化:
社内のキャリアパスを明確にし、それぞれのポジションに必要なスキルや経験を提示し、
部下が将来の目標を設定しやすくなるようにサポートします。 - スキルアップ支援:
キャリアパスに合わせて、必要なスキルを習得するための研修やOJTを提供します。
資格取得支援制度も活用し、専門性を高めるためのサポートを行います。 - ジョブローテーション:
本人の希望や適性に応じて、ジョブローテーションを実施します。
様々な部署や職種を経験することで、視野を広げ、新たなスキルを習得する機会を提供します。 - 社内公募制度:
社内公募制度を活用し、部下が自ら希望する部署や職種にチャレンジできる機会を提供します。
主体的なキャリア形成を支援します。
- 定期的なキャリア面談:
- 良い例のポイント:
キャリア面談、キャリアパスの明確化、スキルアップ支援、ジョブローテーション、社内公募制度など、具体的な施策を挙げ、部下の長期的なキャリア形成を支援する姿勢が見られる。
これらの具体例も、あくまで一例です。
面接では、求職者の回答をさらに深堀りし、具体的な行動や考えを引き出すことが重要です。
3-2. 上司との関係構築を重視する場合
上司との良好な関係は、組織全体の円滑な運営に欠かせません。
以下の質問を通して、報告・連絡・相談のスキル、指示の受け止め方、意見の伝え方を見極めましょう。
報告・連絡・相談に関する質問
質問例1:
上司から指示された業務の目的が不明確な場合、どのように対応しますか?
- 意図:
指示待ちではなく、自ら確認し、目的を理解しようとする姿勢があるかを見極める。 - 読み解くポイント:
質問するタイミング、内容、伝え方を具体的に説明できるか。 - 具体例:
まずは自分で目的を推測し、仮説を立てます。
その上で、『今回の業務の目的は〇〇という理解でよろしいでしょうか?』と上司に確認します。
もし認識が違っていれば、正しい目的を教えていただき、理解を深めます。- → 自ら考え、積極的に確認する姿勢が見られる。
質問例2:
上司への報告・連絡・相談で、最も気をつけていることは何ですか?
- 意図:
報連相の重要性を理解し、適切な方法を実践できるかを見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な注意点(タイミング、頻度、伝え方)を語れるか。 - 具体例:
結論から先に伝え、簡潔にまとめるように心がけています。
また、緊急度の高い内容は、すぐに口頭で報告し、その後、改めてメールで詳細を伝えるようにしています。- → 状況に応じた適切な報連相の方法を理解している。
質問例3:
上司から、どのようなタイミングで報告を求められたいですか?
- 意図:
上司の期待を理解し、適切な頻度で報告できるか。 - 読み解くポイント:
上司の立場や状況を考慮した、具体的なタイミングを提案できるか。
指示の受け止め方に関する質問
質問例1:
上司からの指示に納得できない場合、どのように対応しますか?
- 意図:
感情的にならず、建設的な対応ができるかを見極める。 - 読み解くポイント:
自分の意見を伝える方法、代替案の提示など、具体的な対応策を語れるか
質問例2:
急な仕事の依頼や、予定変更を上司から指示された場合、どのように対応しますか?
- 意図:
状況変化への柔軟な対応力、優先順位の判断力を見極める。 - 読み解くポイント:
冷静に状況を把握し、関係者と調整しながら、適切な対応ができるか。
意見の伝え方に関する質問
質問例1:
上司と意見が対立した場合、どのように解決を図りますか?
- 意図:
相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を建設的に伝えられるかを見極める。 - 読み解くポイント:
感情的にならず、論理的に説明できるか。
代替案を提示できるか。 - 具体例:
まずは、上司の意見の背景や意図を詳しくお聞きします。
その上で、自分の意見を伝える際には、具体的なデータや事例を提示し、論理的に説明するように心がけます。
もし、それでも意見が合わない場合は、第三者の意見を聞いたり、代替案を提案したりして、双方が納得できる解決策を探ります。- → 冷静に、かつ、論理的に問題解決を図ろうとする姿勢が見られる。
質問例2:
上司に改善提案をする場合、どのような点に注意しますか?
- 意図:
相手の立場や状況を考慮し、建設的な提案ができるかを見極める。 - 読み解くポイント:
提案のタイミング、伝え方、具体的なメリットを説明できるか。
3-3. 同僚との関係構築を重視する場合
チームワークを重視する職場では、同僚との関係構築が非常に重要です。
以下の質問を通して、協調性、役割分担、コミュニケーション能力を見極めましょう。
チームワーク、協調性に関する質問
質問例1:
チームで仕事をする際に、最も大切にしていることは何ですか?
- 意図:
チームワークに対する考え方、価値観を見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な行動、過去の経験から得た学びを語れるか。 - 具体例:
お互いを尊重し、積極的にコミュニケーションを取ることを大切にしています。
それぞれの得意分野を活かし、協力して目標達成を目指すことが、チームワークの醍醐味だと考えています。- → チームワークの意義を理解し、具体的な行動に落とし込めている。
質問例2:
意見の異なるメンバーと、どのように協力して目標達成を目指しますか?
- 意図:
対立を乗り越え、協力関係を築けるかを見極める。 - 読み解くポイント:
相手の意見を尊重する姿勢、具体的なコミュニケーション方法、解決策を語れるか。 - 具体例:
まずは、それぞれの意見の違いを明確にし、なぜ意見が異なるのかを話し合います。
その上で、お互いの意見の良い点を取り入れ、より良い解決策を一緒に考えます。
必要であれば、第三者の意見を聞くこともあります。- → 対立を恐れず、建設的な解決策を見出そうとする姿勢が見られる。
質問例3:
チームメンバーのモチベーションが低下していると感じた時、どのように対応しますか?
- 意図:
周囲の状況を察知し、適切な対応ができるか。 - 読み解くポイント:
具体的な声かけ、サポート、問題解決への働きかけができるか。
役割分担に関する質問
質問例1:
チームの中で、あなたはどのような役割を担うことが多いですか?
- 意図:
自分の得意分野、チームへの貢献意欲を見極める。 - 読み解くポイント:
具体的な役割、過去の経験を語れるか。
質問例2:
チームの目標達成のために、自分の役割以外にできることはありますか?
- 意図:
チーム全体のことを考え、積極的に貢献できるか。 - 読み解くポイント: 具体的な行動、サポート、提案を語れるか。
コミュニケーションに関する質問
質問例1:
チーム内で意見交換をする際に、意識していることはありますか?
- 意図:
円滑なコミュニケーションを促進するための、具体的な工夫を見極める。 - 読み解くポイント:
発言の仕方、傾聴の姿勢、ファシリテーションなど、具体的な行動を語れるか。
4. 質問だけでは不十分?「関係構築力」を見抜くための+αテクニック
面接での質問は、求職者の「関係構築力」を見抜くための有効な手段ですが、それだけでは不十分な場合もあります。
ここでは、質問に加えて活用したい、+αのテクニックをご紹介します。
1. 面接官の観察力:
求職者の言葉だけでなく、表情、態度、話し方など、非言語的な情報にも注目しましょう。
- 表情:
表情が豊かか、笑顔が多いか、緊張しすぎていないか。 - 態度:
落ち着いているか、自信がありそうか、威圧的ではないか。 - 話し方:
声のトーンは適切か、早口すぎないか、聞き取りやすいか。
これらの非言語的な情報は、求職者の本音や性格を表していることがあります。
例えば、面接官の目を見て話せない、声が小さい、早口でまくしたてる、といった様子が見られる場合は、コミュニケーションに自信がない、または、緊張しやすい性格である可能性があります。
2. グループディスカッションやワークショップの活用:
集団での行動を観察することで、より深く「関係構築力」を見極めることができます。
- グループディスカッション:
他の参加者と協力して、課題解決に取り組めるか。 - ワークショップ:
チームで成果物を作成する過程で、どのような役割を担うか。
これらの選考方法は、実際の職場環境に近い状況を再現できるため、求職者の普段の姿を観察することができます。
例えば、グループディスカッションで、他の参加者の意見を遮って自分の意見ばかり主張する、周りの意見を聞かずに独断で進める、といった行動が見られる場合は、協調性やチームワークに欠ける可能性があります。
3. リファレンスチェックの重要性:
前職の上司や同僚に、求職者の働きぶりや人間関係について確認することも有効です。
- 確認すべきポイント:
- 周囲とのコミュニケーションは円滑だったか。
- チームワークを大切にしていたか。
- トラブルが発生した際、どのように対応していたか。
リファレンスチェックは、求職者の申告内容の裏付けを取るだけでなく、面接では見えにくい側面を知るための貴重な情報源となります。
ただし、リファレンスチェックを行う際は、必ず求職者の同意を得るようにしましょう。
これらの+αテクニックを組み合わせることで、より多角的に求職者の「関係構築力」を見極めることができます。
面接官としての経験やスキルを磨き、質問と観察、そして、客観的な情報を総合的に判断することで、採用の精度を高めることができるでしょう。
5. 採用後のフォローで「関係構築力」をさらに伸ばす
面接で「関係構築力」が高いと判断した人材を採用しても、それで終わりではありません。
入社後のフォローアップを通して、「関係構築力」をさらに伸ばし、組織に定着させることが重要です。
1. OJT、メンター制度、研修の実施:
- OJT (On-the-Job Training):
実務を通して、先輩社員から直接指導を受けることで、仕事の進め方だけでなく、職場でのコミュニケーションの取り方を学ぶことができます。 - メンター制度:
年齢や社歴の近い先輩社員をメンターとして配置し、仕事の悩みやキャリア相談など、気軽に相談できる環境を提供します。 - 研修:
コミュニケーション研修、リーダーシップ研修など、関係構築力向上に特化した研修を実施します。
これらの施策は、新入社員だけでなく、既存社員のスキルアップにも有効です。
2. 定期的な面談、フィードバックの機会:
- 定期的な面談:
上司との1on1ミーティングを定期的に実施し、仕事の進捗状況や課題、人間関係について話し合う機会を設けます。 - フィードバック:
面談や日々の業務を通して、上司や同僚から、具体的な行動に対するフィードバックを行います。
良い点は褒め、改善点は具体的に指摘することで、成長を促します。
これらの機会を通して、社員は自分の強みや弱みを認識し、改善点を見つけることができます。
3. コミュニケーションを促進する職場環境づくり:
- フリーアドレス:
固定席を設けず、自由に席を選べるようにすることで、部署を超えたコミュニケーションを促進します。 - 社内イベント:
懇親会、ランチ会、サークル活動など、社員同士が交流できる機会を設けます。 - オープンなコミュニケーション:
上司と部下、同僚同士が、気軽に意見交換できる雰囲気を作ります。
これらの取り組みは、社員間の相互理解を深め、良好な人間関係を築くための土台となります。
例えば、ある企業では、週に一度、部署横断のランチ会を実施しています。
普段は接点のない社員同士が交流することで、新たなアイデアが生まれたり、協力体制が強化されたりといった効果が出ているそうです。
採用は、あくまでスタートラインです。
入社後のフォローアップを丁寧に行うことで、社員の「関係構築力」はさらに向上し、組織全体の成長へとつながります。
まとめ:
本記事では、面接で求職者の「関係構築力」を見抜くための具体的な方法について解説しました。
- 関係構築力は、現代のビジネス環境において、最も重要なスキルの一つです。
チームワーク、多様性、リモートワークなど、働き方が変化する中で、周囲との良好な関係を築ける人材は、組織の成長に不可欠です。 - 面接で「関係構築力」を見抜くことは、容易ではありません。
求職者は自分を良く見せようとするため、従来の質問だけでは、本質を見抜くことは難しいでしょう。 - 求職者のタイプに合わせた質問と、+αのテクニックを組み合わせることで、採用の精度を高めることができます。
部下、上司、同僚、それぞれの関係性において、重視すべきポイントは異なります。
具体的な質問例を参考に、あなたの会社に必要な人材を見極めましょう。 - 採用後のフォローアップも、非常に重要です。
OJT、メンター制度、研修、定期的な面談、コミュニケーションを促進する職場環境づくりなど、様々な施策を通して、社員の「関係構築力」をさらに伸ばしましょう。
「この人なら、きっと大丈夫」
面接でそう確信できる人材を採用し、共に成長できる組織を築いていきましょう。
本記事が、その一助となれば幸いです。